店主の本棚vol.3 森に眠る魚

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久しぶりに本の紹介。

ものすごく狭い範囲で繰り広げられるママ友の日々。ママたちの歯車が狂う様も、5人のママのわずかなすれ違いや微妙な心の変化も。どれもこれもがかなりリアルに描かれていて、呼んでいるあいだずっとヒヤヒヤしてしまうほどだった。

ママ友関係をテーマにした小説もいくつか読んだことがあるが、「森に眠る魚」はダントツにおもしろかったと思う。
というのも険悪なドロドロ感だけでなく、ママたちが知り合って仲良くなっていくようすが丁寧に描かれているのに感心。序盤といっても半分近いのかな、じわじわと親しくなっていく月日が描かれていて。ママ友を「つくる」ときのママたちの言うなれば下心のようなものが、恐ろしいほどリアル。疑問を挟む余地は一瞬もなく、ママたちは親しくなり、そして壊れていった。
前半、丁寧に丁寧に積み上げた期間があるからこそ、後半のドロドロを一層怖く感じるんだろうなぁ。

後味は程よく悪い。心にもや〜っとしたものが残る。それでも人に薦めたくなる小説だった。

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